起業するなら、法人か個人か?
いざ起業する時に、個人事業主としてスタートするか、それとも会社を設立して法人としてスタートするか、どちらにすべきか考えると思います。個人事業主であれば、簡単に起業できるものの税金面で不利になる点や、会社設立する場合は、社会的信用度が高く税金面も有利ではあるものの手続きが面倒だとか、色々考えると思います。
統計的には、個人事業主として起業する人が全体の7割になるので、まずは個人事業主としてスタートして軌道にのったら法人に切り替えるという考えの人や、副業として週末起業に取り組む人が多いと思います。ここでは、個人で起業する場合と法人で起業する場合について、メリットやデメリットについてご紹介します。
個人事業主としてのメリットとデメリット
個人事業主で起業するときのメリットは、設立費用がかからず届出だけで開業できるということです。実際には、届出をしなくても事業所得を確定申告することで個人事業主になります。また、事業内容の変更や追加が自由なので、起業自体に不安を抱えている人でも開業しやすいと思います。
デメリットは、社会的な信用度が低いため銀行借入や新規取引などが不利な点が挙げられます。法人とでなければ契約をしないという会社もありますから、その部分はある程度理解しておかなければいけません。また、所得に応じて税率が上がっていくので、所得が500万円を超えたあたりから法人よりも税金が高くなるので注意が必要です。
会社設立のメリットとデメリット
会社を設立して起業するときのメリットは、社会的な信用度が高い点や、節税の方法が多数あるということです。収入から経費を差し引いた所得すべてに所得税がかかる個人事業主に比べると、その一部に所得税がかかる法人のほうが有利です。
デメリットとしては、赤字でも必ず税金がかかるということや登記における定款作成などが面倒といったことがあります。会社を設立した後でも、役員変更や代表の住所変更などがあれば、お金をかけて登記をしないといけません。
個人と会社を比較してみると
個人事業主と会社を比較してよく言われることを、いくつかご紹介します。
起業するときの手続きの面では、圧倒的に個人事業主の方が手軽です。個人事業主は、届出を出すだけで済むのに対し、法人では定款作成や登記が必要になります。法人は起業も解散もお金がかかるので、お金をかけたくなければ個人事業でスタートしましょう。
所得税の面からみると、所得が500万円までなら個人事業主の方が税金が安く、所得が500万円を超えたら法人の方が安くなります。所得500万円というのは、個人事業が法人化するひとつの基準にもなります。
消費税の面では、個人事業主が有利になることがあります。個人事業開業から2年間、法人も設立から2年間、消費税の納税が免除されるのですが、個人事業主からスタートして2年を区切りに法人化すると、一定の条件で計4年間の免除を受けることができます。
営業の面からみるとは、法人の方が断然社会的信用度があります。法人であれば登記情報を誰でも確認できるので、それが信用度につながります。個人に信用があったとしても、税務面での手続きを理由に取引できないと言われることもあるので、そのあたりも気をつけましょう。
まとめ
起業する場合、法人でするか個人でするか、必ず決めないといけませんが、事業内容が明確になっていればそれほど悩むことではないでしょう。社会的信用度を確保したければ法人で起業をし、売上の見通しが低ければ個人で起業をするようにしたらいいのではと思います。