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起業・独立 知っておきたい基礎知識

資金繰りの失敗は収支サイクルを把握していないこと

資金繰りの失敗は収支サイクルを把握していないこと

「黒字倒産」という言葉があります。帳簿上は利益があり黒字でありながら、資金繰りの悪化で引き起こされる倒産のことをいいます。実は赤字の会社でも資金繰りがつけば倒産を免れます。会社の倒産の原因は、資金調達ができなかったこと、資金繰りの失敗が倒産の直接の原因であることが多いということです。

【失敗例:売掛金の回収不能による資金繰りの悪化】

会社には定期的な支出があります。「仕入代」「給料手当」「家賃」「水道高光熱費」「リース料」「通信費」など、これら諸経費は毎月必ず支払う必要があります。その他税金なども決められた期日までに支払わなければなりません。通常、このような支払資金は、売上金などから支払いますが、売上は、景気に左右されたり、季節的な問題であったり、経営状況などによって変動するので、必ずしも売上金全てから支払えるとは限りません。また、得意先の都合により支払が延ばされる場合もあります。そうなると、資金が不足しますね。支払前に売上金が入金されれば問題ありませんが、入金日が支払日のあとであれば、資金不足ということになります。

このように、通常会社の資金は常に一定額が手元にあるわけではなく、いつも過不足の状態にあるのです。資金が不足すると支払ができませんので、支出のスケジュールと入金予定日の管理をし、収支サイクルを把握しておく必要があります。

資金繰りの失敗は収支サイクルを把握していないこと1 資金繰りの失敗は収支サイクルを把握していないこと2

【失敗例:大量な商品の仕入れによる販売不振】

売上を期待して大量の商品を仕入れたものの、思うように売れなかったということがあります。そうすると、手元に残るのは、売れ残りの商品と支払うべき請求書です。商品代金を仕入先に支払うと手元の現金がなくなってしまいます。資産として商品は手元にあるので、帳簿上は黒字のままということになりますが、運転資金に余裕がない場合は、実際は現金が手もとにないので、月々の支払いやその他支出に困り、資金がショートしてしまうことになります。戦略ミスもありますが、資金繰りの失敗といえます。

【失敗例:過大な設備投資】

シニア起業家に多いのが、この例です。運転資金を甘く見て、初期段階に過大な設備投資をすることによって、手元資金が目減り。起業後に思うように売上が上がらす、月々の諸経費の支払いと借金の返済に追われるうちに、手元の現金がなくなり、会社の存続ができなくなってしまうのです。

資金繰りの成否が会社の命運を握っているといってもよいでしょう。収支サイクルの把握は重要です。

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