自分に合った起業スタイルを考える
起業には、いくつかの方法や形態が存在します。事業規模や事業形態によって抱えるリスクや収益にも差が出てきますので、自分の起業マインドや環境と併せてどのようにしたいかじっくり検討しましょう。
起業の形態には、大きく分けて「週末起業」、「個人事業」、「家族経営の会社」、「他人を雇用する本格的な会社」の4パターンあります。
「週末起業」は、サラリーマンなどすでに定職を持っている人が週末などの空き時間を活用し副業として片手間に起業をすることです。また、タイミングは週末でなくとも主婦が子育てや家事の空き時間を活用して家計を助けるために起業するのもこのパターンに当てはまるでしょう。既に安定した収入が確保されたうえ、限定的な時間で行うものなので、自ずと事業規模は小さく金銭的リスクも少なくなることが考えられます。しかし、限られた短い時間の中で仕事を行わなければならないので「週末起業」での収入はほとんどお小遣いやアルバイト程度しか見込めません。ローリスク・ローリターンの方法です。
「個人事業」とは、一人で事業を立ち上げ、いわゆる「独立」という形でそこで行う仕事を本職にしていく起業方法です。個人事業主となるためには起業前にしっかりとした準備や資本金が必要となります。また雇用されて安定した収入がある上での副業ではなく、本業として携わるので生活がかかってきます。このように週末起業に比べて個人事業は金銭的にも時間的にもリスクは大きいですが、事業が大きくなればなっただけ個人の収入も増やすことができます。個人事業にはリスクも伴いますが、自身の手腕で成功した暁には大きな収入と充実感が期待できるのです。
「家族経営の会社」というのは、簡単に言えばお父さんが社長でお母さんが経理、と言ったようにその名の通り家族単位で、または身内だけで会社を経営することです。全社での価値観の共有や個人同士の意思疎通をしやすい場合が多いため、人手がある割に一般企業に比べてスピーディな運営が期待できます。まっさらな状態から会社を立ち上げ、家族を役職に就けるというのは、会社をこれから営む予定場合は主体的に関わる家族全員に個人事業並みのリスクが必要となります。しかし、両親がすでに会社を経営している人にとっては起業準備がいらず「後を継ぐ」という形で最も始めやすい事業になります。
「他人を雇用する本格的な会社」では、自分が社長となり、経理や秘書から平社員までを揃えるという、いわゆる一般企業の形です。他人である従業員全員の生活を担う覚悟が必要となりますが、多角的な視点や有能な人材を揃えて事業を大きくしていくことが可能になります。いきなりここから事業をスタートさせるのではなく、まずは個人事業主として独立開業し、収益が上がって安定した後に資金やビジネスの規模を拡大させてこのように社員を雇い始めるケースもあります。
あなたの場合は、これらのうちどの形態で起業を望んでいるでしょうか。本職がないのに片手間の週末起業をしてもそれだけで生活できるレベルにはなりませんし、サラリーマンを続けて決まった時間会社に勤務しながら自分の会社を立ち上げて営むということも難しい話です。何を取って何を捨てるか。リスクは、どこまでとる覚悟ができるのか。起業は、自分の能力や価値観に見合った形を選択しないと失敗する原因にもなりかねません。