共同経営で重要なのは、パートナーとの取り決めやルール作り
気の合う友人や親族と意気投合しての共同経営。とても楽しそうですね。しかし、細かい取り決め無しに起業してしまうと、失敗するケースが後を絶ちません。親しい人とのビジネスだけに、問題が発生してしまうと、事業もトラブルもこじらせてしまうことが多いのです。共同経営を成功させるには、パートナーとの取り決めやルール作りがカギです。
「共同経営」とは、『事業を存続・発展させるために、2名以上の人が、ほぼ対等の立場で意思決定をしていくこと。また、その経営形態』という意味です。経営を円滑に行うために、またもしパートナーとなった人と将来トラブルとなった時に速やかに解決できるよう、予め「共同経営契約書」を作成し、明確なルールを作っておくことをオススメします。これは、基本的なルールの取り決めで、つまりはトラブルになりやすい項目でもあります。どんな取り決めが必要なのでしょうか。いくつかご紹介しましょう。
〇事業の目的(何のために事業を行うのか、目的の明確化をする)
〇事業の内容(事業の具体的な内容を明記)
〇契約期間(この期間経過後は見直しを行うことを明記)
〇出資者・出資額(共同経営者それぞれの出資内容を明記)
〇業務執行の決定方法(意思決定の方法を対象分野別に決めておく)
〇業務の分担内容(責任と権限を明確にする)
〇競合避止義務(共同経営と利害が対立するような行為の禁止規定)
〇情報共有・会議体(何について、いつ、どのような方法で意思疎通を図るのかを明記)
〇事業財産の所有権の帰属(共有財産に関するルール)
〇利益配分(利益の分配の仕方に関する取り決め)
〇費用(費用の使い方、権限、手続きについての取り決め)
〇会計(会計責任者、実施者、タイミング、報告・共有方法の明記)
〇持ち分処分の禁止(事業に影響を及ぼすような個人の持ち分処分についての禁止事項)
〇契約の解除(共同経営者が契約解除するときのルール)
〇清算(契約解除や契約就労の清算ルール)
〇本契約の変更(本契約の変更の仕方ルール)
〇協議(問題が発生した際の協議に関するルール)
起業にトラブルはつきものです。共同経営であれば、パートナーとコミュニケーションを取らない限り同じ方向に進むのは難しいでしょう。問題が発生するたびに立ち止まると決裁に時間がかかり、事業存続のリスクにまで発展する可能性もあります。あやふやな協定でのスタートは避け、慎重に共同経営を進めましょう。